NEW ハリアー タイヤ封入窒素ガスとタイヤ圧の考察の巻
Last Updated: Monday, June 06, 2005 07:33:11
ページ内各コンテンツさくいん

1. 前置き 8. 回路構想
2. 字光式ナンバープレート 9. 今回の部材一覧と費用・購入先
3. 保安基準での照明規定 10. 製作の模様
4. 字光式ナンバー照明方式・発光素子の違いについて 11. 装着状況
5. 字光式ナンバー照明方式 私的優劣比較 12. 夜間視認性と点灯状況
6. LED方式字光式ナンバープレート照明 設計構想   13. 実際の機能として
7. 放熱設計   14. 最後に

前置き

※このページ気合れて書いたら、随分長文の文字だらけ..スミマセン.(スペシャル長文.. GW中執筆)
読むのがカッタルイという方はここを。

「タイヤに窒素ガス」と結構出ています。
それなりの値段。原価知っている者としておいしい商売ですね。(LN2:液化窒素ガスですけど)

私はダイバーなもんで、実は「窒素(ちっそ)」って言葉。いやなものです。
減圧症の原因としての残留窒素のイメージからでしょうか。
ダイビングテーブルとダイビングプラン、窒素酔い。窒素がたまる。抜けないとか

圧縮空気タンク(酸素タンクではない)を背負って水圧下の中呼吸を維持する
(これを「SCUBA:スキューバー」という意味)
この水圧下が曲者で、水深10mで地上の倍の2気圧(atm)、水深20mで3気圧もの水圧が体にかかり
肺も圧迫されるため、体積で地上以上の空気を吸うこととなります。

よく質問されるのが、その空気でどのくらい(何分くらい)潜れるの?というモノです。
これは一言で言うと潜水する深度によって変わり、
いくらタンクの空気が残っていて呼吸が続けられても
この体内に蓄積した窒素の残留量があと何分潜水可能かを決めるのです。
(レクリエーションダイビングでは水深最大40m程度と一応決められています)

スキューバーダイビングにおいてもこの窒素ガスは切っても切れない関係なのです。
(100%の酸素ガスは中毒を起こすので圧縮空気を吸います)

ちなみに満タンで大体200kgf/cm2 電話ボックスぐらいの空気を圧縮しています。

残圧を確認するためゲージをつけています(そのため万が一無くなった場合に備え最低2人以上で、
相方が同時に吸えるよう予備のレギュレータ
(通称オクトパス:口から減圧した空気を吸うための機材)を持っています。


細かい話は本題から反れるのですが、一言で言ってしまえば
体内蓄積窒素が体に害を及ぼす。


さて大分横道反れました。

本題なのですが、つぼも例に漏れずこのタイヤに窒素ガス封入。一応やっています。
結論から言うと。??????です。ただ1点を除いては。

窒素ガスは標準の空気と違い燃焼補助をするわけで無いため、
万が一タイヤがバーストした際に爆発や火災の元になることがありません。
航空機やF1のタイヤにいち早く窒素ガスが使われ始めたのは、実はこれがいちばんの原因かなと
個人的は思っています。

でも、燃費測定走行で空気圧を標準の2.1kgf/cm2なのに2.5kgf/cm2 ?!高くねえかあ?
と思われた方多いと思います。
もちろん燃費を良くすることもあるのですが、以下をお読みいただくと少し納得していただけるのかな?と。

情報を整理して、タイヤに窒素ガスを入れるメリット・デメリット、必要か否かを再検証し
そこでごく言われているうたい文句とその考察をしてみたいと思います。
多少の理論武装としてか?もしくは単なる揚げ足取りなのか?
ちなみにダイバーの視点から見たタイヤの空気圧の考察なんで。その点をご理解下さい。

この視点を理解する上では

・地球の大気成分と窒素元素と分子の状態(電子物性)
・圧力の定義と大気圧・水深と水圧
・高圧ガス保安法
・モルの理解
・ボイル=シャルルの法則
・気体中の元素の原子・分子とその大きさとタイヤ分子格子の大きさの比較
・気体中の元素の原子・分子の平均自由工程
・膜のガス透過係数

の点から検証が必要と思われます。(ホントか?!一応理論武装...^^;)
よって昔の教科書など総動員の元このページを執筆しています。


窒素とは?地球の大気成分は?

窒素(ちっそ)
英語では Nitrogen (硝酸(nitric acid)の成分であることから名付けられたらしい)
元素記号:N
原子番号:7

まず、この窒素。中学生の理科(化学)のおさらいです。ちなみに筆者は化学はテンで駄目でした。
(特に有機化合物系は苦手)、でも一応物理・電子物性は得意だったのですが.....

ほとんどの人が知っているであろう、窒素とはなんぞやと言えば、
空気の約3/4は窒素です。半分ピンポーン!。
意味は間違っていないですが、窒素は元素名称なんで「空気中にある窒素」は
元素のままではなく、

N2:窒素ガス
2つの窒素原子が結びつき、分子として窒素原子が不活性な状態
(原子的に安定した状態:最外殻電子が安定状態)で
かつ、気化状態(沸点を超えている)で大気中に存在しています。
(水素ガスH2、酸素ガスO2も同様)

しかし、地球全体での「元素」の割合として見た場合(地殻中、海水も含めて)は非常に微量で
硝石など硝酸塩として19ppm(0.0019%)存在するに過ぎないのです。
(最も多いのは酸素O、次いでケイ素Si、3番目は水素H)

空気と大気は似ている様で違います。
「大気」atmosphereとは地球も含む惑星の海抜(?)地表から20km以下(大気圏:地上生物が生存する範囲)のガス全体を指し
「空気」とは「地球の大気成分の総称」(らしいです)


英語でのNitrogenから「ニトロ」という言葉が出てますが、これは窒素のことではなく
「ニトロ基」-NO2で組成される芳香族ニトロ化合物組成成分のことで
有名なものに狭心症の発作治療などに用いられるニトログリセリンやニトロペンとかの「ニトロ」です。

横道反れてしまいましたが、今回は窒素ガスN2なんで元に戻ります。

残りは酸素ガスと微小ガス。以下を見ていただくとお分かりだと思うのですが

以外に気象温暖化で騒がれている二酸化炭素CO2はアルゴン(Ar)より少ない0.033%(330ppm)なんですね。
(今はもう少し増えてるかも知れないけど)

高度20km以下(大気圏)空気の成分組成(ガス成分表記便宜上、xxガスとは記載しない)

ガスとして 元素   備考

成分

体積比 融点(℃) 沸点(℃) 元素記号 英語名称 原子番号 原子量
(分子量)
比重(20℃)
g/cc
 
N2 窒素 78.084%   -210.0 -195.8 N Nitrogen 7 14.00674 1.250x10-3 1.251g/dm 3 (dm:1/10mを表す単位)    
O2 酸素 20.948%   -218.8 -183.0 O Oxygen 8 15.9994 1.429x10-3  
Ar アルゴン 0.938%   -189.2 185.87 Ar Argon 18 39.948 1.7834g/cm 3 (0℃,1atm)  
CO2 二酸化炭素 330ppm -79.0 -78.5 - Carbon dioxide - 44.01 1.39  
Ne ネオン 18.2ppm   248.61 246.06 Ne Neon 10 20.1797 0.8999g/dm 3 (dm:1/10mを表す単位)  
He ヘリウム 5.24ppm   -272.2 -268.9 He helium 2 4.00260 0.1785g/cm 3  
CH4 メタン 1.61ppm -183 -161.5 - Methane - - 0.555
Kr クリプトン 1.14ppm   -157.2 -153.4 Kr Krypton 36 83.80 3.749g/cm 3 (標準状態)  
H2 水素 0.5ppm -259.2 -252.8 H Hydrogen 1 1.0079 0.0899x10-3
CO 一酸化炭素 0.1ppm -205 -191.5 - Carbon monoxide - 28.01 0.9736  
Xe キセノン 0.087ppm   -111.8 -107.1 Xe Xenon 54 131.30 5.851g/cm 3 (0℃, 1atm)    
Rn ラドン -   -61.8 -71 Rn Radon 86 222 -

質量数222のものをラドン。
ラジウムエマネーションともいう。
最も寿命の長いラドン(222Rn)はラジウム(226Ra)の崩壊で生成。
ラドンの半減期は,たった3.8日。
その後金属の
218
Po(ポロニウム):半減期3.1分
214Pb(鉛):半減期27分
214Bi(ビスマス):半減期20分
214Po(ポロニウム):半減期164マイクロ秒
210Pb(鉛):半減期22.3年
と別の原子に変化。
 

約数Bq(ベクレル)〜数十Bq/m3の濃度
 1秒間内に原子核が崩壊する数を表す。SI単位系では(s-1)と記述するが、放射能の単位として使用する場合は、「ベクレル」または略号 Bqが用いられる。

法令改正(1989年)以前は、「キュリー」(Ci)が使用されてきた。
旧単位との関係は、
1Ci=3.7×1010Bq
(1Ciは 370億ベクレル)である。

 

※:上表は水蒸気を除いた値であり、*印は変動
ppm : 1/10,000 [%] 1ppm = 0.0001%
便宜上0.1%以下はppm表記
ppm [Percent Per Million]の量を表すのに良く用いられるのが、プールの水に1滴たらす量が約1ppm(らしい)

ppmはよく大気汚染とかで結構耳にすると思いますが、製造業では結構常識。
要は出荷品質の不良率をppmで表しますよね。具体的にな数量は控えますけど......

原子量は、原子番号6の炭素 12C=12 としたときの、
原子質量単位 (げんししつりょうたんい、atomic mass unit)は原子の質量を表す単位で、amuと略す。
 (1961年以前には、酸素16Oが原子量の基準(16.00000)として、用いられていた。)

質量数12の炭素の同位体12Cの原子1個の質量の12分の1を単位とする質量単位。
すなわち、
M(12C)=12.000 amu
であり、また、
1 amu = 1.66053873×10-27kg
である。
元素の相対的質量と定義

上記黄色の3つの成分(窒素、酸素、アルゴン)だけで大気成分の99.97%を占めます
残りの0.03%に二酸化炭素や希ガスと呼ばれる不活性ガスが含まれます。

仮に100%窒素として僅か21.92%窒素濃度の上昇により何か起こったら
逆に何か大変な事が起きているような気がします。


高圧ガス容器の圧力・塗色

高圧ガスは、ガスの種類によって容器の塗装色が
平成8年に、「高圧ガス保安法」により定められています。

なんでかというと、この法律、スキューバダイビング用の空気タンクも関係するためです。
アルミタンクの破裂事故に対するもので、平成14年6月10日に高圧ガス保安法に基づく
「容器保安規則」及び「告示」の改正が公布され、即日施行。

もう1つ、容器保安規則も平成11年10月1日改正施行されて塗装色の指定がなくなりました。(第10条第1号)
今までだと酸素ガスは黒とか窒素ガスは灰色との具合で塗装色が決めれていたのですが
ただ一応、既存の塗装色は使用済みなので使用してはならないとなっています。
で、参考ながらその改正前に定められていた塗装色は以下の様になります。


モル

これについては、昔化学で授業で教わった記憶そのものの記載です。
ダースと1023 とアボガドロがキーワードです。

モル(mole, mol)
物質の量を表す国際単位系の基本単位。
アボガドロ数の構成要素を含む物質の集団を1モルと定義。

とても小さいもの を ある一定数量(アボガドロ数:ものすごく大きな数です 6×1023個)だけ集めで1つのグループにします。
そして、そのグループが、いくつあるか?と考えます。

1ダースというときの「ダース」と言う単位も、12個集めたグループがいくつ有るかを示す単位です。
「モル」も集める数は違いますが、考え方は同じです。

もしアボガドロ数だけあつめたグループが10グループであれば、10モルというわけです。

原子や分子には重さ(正確には質量と言います)があって、
その重さの合計を「モル」という単位で表わしているのです。

例えば,水酸化ナトリウムは、ナトリウムという原子と,酸素という原子と水素という原子がそれぞれ1つずつでできています。
原子というのは非常に小さい物質で,アボガドロという偉い科学者が
12g の炭素のかたまりには 約 600000000000000000000000 個の炭素原子が含まれているということを発見しました。
逆に言うと,水素原子は1個が 0.00000000000000000000000167g であり
それをやはり 約 600000000000000000000000 個集めると 1g の水素原子のかたまりになるということになります。

何だか、数字を見ただけで,こりゃとんでもないことになりそうだと思ったかも知れません。
でも,意外と簡単なんですよ。
「元素の周期表」に載ってる「原子量」というのが、
それぞれの原子を 約 600000000000000000000000 個集めた時の重さになるんです。
そして,この重さのことを「1モル」と言っているのです。

そうなると,水酸化ナトリウムは、
ナトリウムの原子量が23
酸素の原子量が16
水素の原子量が1
なので、合計すると 23+16+1=40 となり
1モルが 40g だという計算になるのです。

さて本題ですが
21%の酸素が窒素に置き換わると、タイヤがどれくらい軽くなるか計算してみました。
205/55/R16のタイヤで計算すると空気の入る部分の体積はおよそ37.5リットルです。

さて、窒素と酸素の重さですが、上記のモルという単位でいうと、
・窒素ガス 28g、
・酸素ガス 32g
だと思うので、先のタイヤに2.2気圧で

空気(窒素:酸素=4:1)を入れた場合116.06g、
窒素だけ入れた場合103.12g、
その差12.94g軽くなります。
バランスが取れてないならいざ知らず、タイヤが12.94g軽くなったからといって感じ取るのはまず不可能でしょう。
だから、軽くなったからではないかという仮説は無理ですね。


大数

モルが出てくると次にこれです 1023。10の23乗ってピントこないです。
私もこの「モル数」を授業で習ったときにこの大数について教わりました。
 

1モル(mol) = 6.0 × 100000000000000000000000 [個]

なんですが
辞書などで紹介されている数の名前の代表的なものだと

一 十 百 千 万 億 兆 京 垓  穰 溝 澗 正 載 極 恒河沙 阿僧祇 那由他 不可思議 無量大数
値としては、万までは10倍づつ、万以上恒河沙までは万進、恒河沙以上無量大数までは万万進となる様です。
 

いち 100
じゅう 101
ひゃく 102
せん 103
まん 104
おく 108
ちょう 1012
けい 1016
がい 1020
じょ(し) 1024

1モル(mol) = 6.0 × 100000000000000000000000 [個]
1モル(mol) = 6.0 × 1023 [個]
1モル(mol) = 6000垓個

といえる訳です。(こんな言い方するのかよー,,,,,,私もそう思います。1023で十分です。)


気体の体積と圧力と温度の関係

これについてはボイル=シャルルの法則は、気体の体積と圧力、温度に関係する法則。
を無視することはできません。
結構有名(?)なのかも知れません。
これを応用したものの代表的なものは、エアコンと冷蔵庫ではないでしょうか?
また有名な、山頂で水を沸騰させると摂氏100℃以下で気体になるとか。

ロバート・ボイルが発見したボイルの法則と、ジャック・シャルルが発見したシャルルの法則を組み合わせたもの。
ゲイ・リュサックの法則と呼ばれることもある。

ボイルの法則
気体は温度一定のもとではそれにかけられる圧力に反比例して体積を変えるという法則
でロバート・ボイルが発見したためこの名がある。
気体の体積をV、圧力をPとすると、V=x/Pと表せる。(xは気体定数と気体のモル数の積)

シャルルの法則
気体は圧力一定の時、気体の体積が絶対温度に比例するという法則で
ジャック・シャルルが発見したためこの名がある。
気体の体積をV、絶対温度をTとするとV=xTとなる。(xは気体定数と気体のモル数の積)

上記の2つの法則から気体の体積と圧力、温度の関係が以下のように
あらわすことができます。

気体の体積は圧力に反比例し温度に比例する

というもの。
理想気体の状態方程式(universal gas equation)は、理想気体を有効に記述する状態方程式。
1モルの気体の状態方程式といいます。
理想と呼ぶのは、この法則が、あまりに温度が低かったり、
圧力が高かったりすると成立しないためです。
また、この式から温度、圧力、体積が変化しても一定の値を示すことがわかります。
そして、この値をRを気体定数といいます。気体定数は1モルあたりの値です。

1モルの気体は、アボガドロの法則によると、
気体の種類に関係なく6.02×1023個の分子で構成されていて、
それは、0℃・1気圧(101325Pa)の標準状態で22.4[L(リットル)]の体積の中に含まれています。
また、気体の体積はモル数に比例しますので、nモルの気体については、
次式のとおりで、これを理想気体の状態方程式として表される。

pV = nRT

ここで、
p は気体の圧力
V は気体が占める体積
n は気体の物質量モル
R は気体定数
T は気体の熱力学温度

この法則の発見により気体の状態方程式を導くことが可能となった。

水(H2O)は有名だと思いますが、現在水の沸点は何度だと思います?摂氏100度(℃)
間違いです。

1990年に国際度量衡委員会により改定され、
セルシウス温度tは次に述べる絶対温度Tを用いて、

t=T-273.15

と定義された。
つまり 新しい温度目盛りでは、
水の沸点は標準気圧(101325Pa)下で約99.974℃なんです。

もはや水の沸点は100℃ではない。約100℃という表現になります。
もちろん地上高があり地上に比べ気圧の低い山頂などではさらに沸騰する温度は下がります。

今は圧力の単位がパスカル(Pa)になってしまったので。

上記の法則がどう関係するかといえば、
純粋なN2(窒素)ガスに置換できたとしても、季節による温度変化によってタイヤ圧は全く変わってきます。

例えばN2(窒素)ガスを理想気体と考え、まったく抜けないとします。
夏30℃→冬0℃で
夏の空気圧2.5MPa、容積変化は無いものとして無視すると(厳密にはあるでしょうが)

2.5/(273+30)=冬の空気圧/(273+0)

冬(0℃)の空気圧=2.252[MPa]
となってしまうんですよね。

ハリアー指定の2.1[MPa]を
・夏場30℃で調整→冬場0℃
2.1[MPa]→1.89[MPa]

・冬場0℃で調整→夏場30℃
2.1[MPa]→2.33[MPa]

つまり、単純に季節の変化で30℃気温が変わると10%もタイヤ圧が変わります。
夏場に定格にあわせるのは結構冬場はやばいので、これを見越して高めにしておくことは
マメにタイヤ圧をチェックしないドライバーが多い世の中では
事故防止の観点から止むを得ないと考えられます。

いくらN2(窒素)ガスが巷で言われる「抜けにくい」としても、温度差による圧の変化は免れません。


気体中の元素の原子・分子とその大きさ

分子の大きさです。単位はÅ(オングストローム:スウェーデン語)です。
オングストローム(Å、en:Angstrom)は原子や分子のレベルの非常に小さな世界を表すのに用いられた長さの単位。

1Åは10-10m = 0.1nm(1nm=10-9m) = 100pm(1pm=10-12m)。
分光法の先駆者であるスウェーデンの物理学者A.J.オングストローム(Anders Jonas Ångström)の名前からつけられたようです。
水素原子(H)の大きさは直径約 4.8オングストローム(0.48nm)といわれています。

見当もつかないので、他の大きさ比較をすると
12Åという大きさを考えてみます。この大きさは水(H2O)の分子に近いものらしいです。

12Åを、1億倍すると12億Åで、12cmの大きさになります。
これはCD(コンパクトディスク)の大きさです。

このCDを水の分子の大きさと見立てて、もう一度1億倍してみます。
12cmが12億cm、つまり1万2000kmという大きさになります。
地球の直径が1万3000kmですから、一回り小さめの地球を想像してください。
水の1分子(H2O)とCDの大きさの割合は、
CDと地球の直径ぐらいの割合なのです。

で、分子の半径は以下のようです。

分子 分子半径[Å]
N2 1.57
O2 1.45
CO2 1.61

原子の大きさだけでは窒素原子Nの方が、酸素原子Oより小さいのですが
分子となった場合は逆なんですね。

でも上記の差、はっきり言ってタイヤのゴム分子の格子隙間を抜ける差にはなりえません。



極性(電気陰性度の差)の影響があるからでしょう。
よって、N2の方が抜け難いかもしれませんなぁ。
それじゃーCO2にすれば?という疑問も出ますけど、値段の関係かもしれませんね。
ちなみに、常温,大気圧中では

N2の平均自由工程 :6.3×10-8m
O2の平均自由工程 :6.8
CO2の平均自由工程:4.2

確かに、CO2にするメリットはありそうです。
軽量化にはなりませんが(笑)


膜のガス透過係数

これがよく言われるのは「通しやすさ」の観点でその際たる例は
「コンタクトレンズの酸素ガスの通しやすさ」かと思います。
よく「酸素透過係数」って言葉で
Dk=151×10-11(cm2/sec)・(mLO2/mL×mmHg)

今回の場合はタイヤのゴムの通しやすさ・にくさをガス分子別で見ていくところです。
ただ、タイヤの内圧は外側の大気圧より明らかに高いため以下公式があります。

孔の開いていない均質膜における気体の透過係数は

(透過流束)=(透過係数)×(透過推進力=圧力差)÷(膜厚み)

窒素ガス、酸素ガス、空気(水蒸気)で温度別に透過速度を比較すると以下の通りです。


確かに窒素ガスの場合は酸素ガスや空気(水蒸気)より透過速度は低いので
「抜けにくい」ということは言えるかも知れません。


ダイビング用の圧縮空気タンクとの関係

今は圧力の単位がパスカル(Pa)になっていますが、相変わらず旧SI単位である[kgf/cm2]
が用いられています。(筆者も未だになじめず... PS(馬力)がKWになってもピンと来ないのと同様ですな)

ダイビングの話を持ってきたのは、ダイバーなら半ば常識的なこのところですが
結構タイヤの空気圧にも似ていて考察する上で非常に参考になるからです。
しかも、ダイビング中は空気圧の確認を頻繁に行います。
だって空気無くなったらとてもダイビングできないです。命に関わるから....
だからこの残圧管理と気温や水深の関係は当然ダイバーならシビアにならざるを得ません。

大体ダイビング用のタンクは材質が鉄(スチール)かアルミ
体積容量が9L(スチール)とか11L(アルミ)とかです。容量より材質によりタンク重量が違います。


何がと言うと、この残圧(空気圧の残り)。
ダイビングする前には必ずチェックしますが、当然タンクへの空気のチャージは機械
(ちゃんと免許がいります「高圧ガス充填設備」)が充填するのですが
ダイビング前の気温によって充填時一定(200kgf/cm2)のはずが結構変わります。

つまり暑い真夏だと残圧チェックのときに220kgf/cm2とか増えている(ラッキー〜♪)し
気温が10℃くらいの寒いとき(でも水温は15℃くらい)だと180kgf/cm2という感じで減るのです。
つまり真夏(30℃)、真冬(でもないけど 10℃)で1割違ってくるのです。
これはダイビングをするにあたっては、潜水時間が変わってくるので結構大きい問題です。
(真夏では水温で結局減りますが...)

つまりたったこれだけ(10℃)の温度変化でこれだけ空気圧が変動するということは
タイヤの空気圧でも同様のことが起こると考えていいのでは?というのがタイヤ空気圧マニア(?)への背景にあります。

空気圧力はダイビング用の空気タンクの1/100とはいえタイヤの空気圧も大体2.0〜2.5[kgf/cm2]位の車が多い中
同様のことが起こるはず。
±10℃で約1割違うと思うと、タイヤの空気圧も気温20℃の中でハリアーの標準空気圧2.1[kgf/cm2]に合わせても
1.9〜2.3に変動すると言うことを意味するわけです。(走行中のタイヤ内の空気の温度上昇を考慮しない)

もう1つ忘れてはいけないところに、高度との関係があります。
地上の気圧は1気圧(atm 0.76mgH)で、水中では水深10mで2気圧。
つまり、容積が半分(同じ肺に空気を入れるのに地上の倍の容積を吸わないと肺が膨らまない)となります。
(さらに水深20mで3気圧かかり、地上の1/3の容積)

ダイビングにおいてはこの水深から水面への浮上で体積が倍になるので最も危険。
肺の中の空気も倍になるので吐きながら浮上がMUST。....この辺もダイビングの基本ですが..

汚い話で恐縮ですが、風呂で「おならをする」と最初小さな泡なのが、水面近くで大きくなってぼあっと臭いっ...
あれと同じです。(臭いのでは無く、泡の大きさって意味)

一方高所についてですが、ダイビングの後、24時間以内は高所へ行っては行けないというのがあります。
(飛行機に乗ってはいけない。伊豆ダイビングの後箱根越えはいけないとか)
これは体内に蓄積した窒素が、血液中や骨の中で気圧現象で容積拡大し、
人体に影響を及ぼすということからです。関節が痛いとか初期症状。最悪は壊死するとか言われています。
このため、24時間程度は体内蓄積窒素を抜くために高所へは行かないという計画が必須なんです。

地上では海抜100mの上昇で0.6気圧の減少と言われていますので
海抜0mから山などで1,000mの地点へ行くと5気圧少ない環境へ行くことになります。(水面と水中下で40mとの差)
ダイビングでの気圧(水圧)変化がいかに人体へ影響を及ぼすかお分かりかと思います。

ダイビングで用いる残圧計もこの高所対応するしないで、
高所ダイビング(アルティチュード(高所海抜300m以上の高所で潜るダイビン グのこと)の場合はなおさらです。
富士山麓にある富士五湖のひとつ、本栖湖。ここは標高900mのでしかも 淡水湖
では残圧表示が正しく出るかなどあります。
(真夏でも水深20m位で水温10℃位寒い、上がった後ベトベトが無くさらっとしている)
ちなみに私が本栖湖ダイビングをしたときは、それはオウム事件で第7サリアンとかで大騒ぎのころです。
最大深度138mと富士五湖一の深さを誇り、視界18mの透明度も一番です。北岸から望む逆さ富士は、5000円札に描かれていることで有名ですね。

水面での空気圧がもう海抜0mのと違っているしさらにその場所からの水圧で余計にずれるので。
(24時間以内にダイビングして高所ダイビングはしてはいけないとかあります)


タイヤへの窒素ガス充填効能についての検証

盛んに言われている、タイヤへ窒素ガスを充填することの効果って何でしょう…

巷でのタイヤへの窒素ガス充填効能と謳い文句 つぼ的個人見解とコメント
操作性がアップ ×
窒素ガスは混合空気に比べ温度上昇による内圧変化が少なく連続高速運転時でも安定。 温度上昇による内圧変化は水分が
熱膨張するもの。
「連続高速運転時でも安定」とはN2ガスによるものでなく、
タイヤ圧を再度確認した上、4輪とも揃えることによるもの。
温度による空気圧変化が少ない
タイヤのゴムを透過して漏れる速度が遅いので低内圧走行による事故を予防や燃費のロスも防止 N2ガスそのものは分子レベルで見ると酸素分子より大きいため、
タイヤ内気体抜けの意味で酸素ガスの割合を20%より少なくすることは標準空気封入に比べると効果があるが体感は無理。
もっとも、じゃあーO2ガスがどんどん抜けてくれれば
タイヤの中はN2ガスの割合が大気成分の割合より増えてくれて
さらに抜けた分N2ガスを補填すれば好都合?と考えるのが自然。
温度によるタイヤ圧変化はあくまでタイヤ内の水分によるもの。
タイヤバーストの予防
窒素ガスは不活性ガスのため、万が一のバースト時も安全 不活性ガスという言葉は元素で希ガスに分類されるヘリウム (He)、ネオン (Ne)、アルゴン (Ar)、クリプトン (Kr)、キセノン (Xe)、ラドン (Rn)を言うのである。
窒素ガスN2は分子(2つの原子が結びつき1分子を構成)
としてお互いの窒素原子の最外殻電子が閉殻状態になっているだけで
「不活性ガス」という表現は適切でない。
「化学的に非常に不活性な状態」とかそれぞれの原子が「原子の最外殻電子が化学的に安定状態」いうのならば異論はない。
燃焼を助けるO2(酸素)ガスが減ることは
バーストでの燃焼の拡大はないが
それは大気中の酸素ガスが補助するため関係なし。
飛行機の様に高度があり、大気濃度が薄くなる中またその高度での気温が-40℃以下でのタイヤ内の水分の凍結などの予防的措置として意味あり。
タイヤやホイールの寿命が延びる
混合空気は窒素80%と酸素20%。酸素には水分が多く長い間にホイールを腐食させるため。 O2ガスが減れば長期的観点からは○であるが、
その前にタイヤが減って寿命がくる。ホイールの寿命については酸素ガスが酸化という意味で影響が考えられるが何十年のスパンで見ないといけないので
その前に車体本体の方が先に寿命がくる。
タイヤノイズが減る ×
混合空気より粘性が4%程低いので乗り心地がマイルドに。同時に車内の騒音が減少。 粘性意味が違う。分子レベルでの平均自由工程のことと思われる。
N2分子の平均自由工程は確かにO2分子より低いことは事実。
であるがその比較はタイヤ内を99%位N2ガスかO2ガスで封入するかであり
空気ではすでに8割近くがN2ガスなのである。
これがタイヤノイズの減少につながるか?
タイヤのトレッドの風きり音の方が大きく、タイヤの封入気体を変えたことでの変化は体感不能。
燃費の向上 ×
空気圧低下によるタイヤ抵抗増などによるロスを低減でき、燃費の向上が期待 これはタイヤ圧を増加させたことでの接地面積減少によるによるもの。
N2ガスへ変えたことではない。

一般的なタイヤへの窒素ガス充填とつぼ的見解・考察

上記表にもさくっと入れていますが、盛んに言われている「タイヤに窒素ガス」の是非。、
その筋の専門の方から見れば「おいおいちょっと待てや」ということもあるかと思いますが、
その際はぜひご意見をお寄せ頂ければ幸いです。
つぼ的な見解と考察してみると
 

タイヤのノイズが減る つぼ的見解:×

窒素ガスは、空気よりも音の伝わるスピード(伝播速度)が遅いことから、
窒素ガスを充填するとロードノイズが低減すると言われています。
具体的に伝播速度にどの程度の差があるのかは上記ので明らかです。

そもそもタイヤから出るノイズのほとんどは、タイヤそのものの動き、
トレッド(溝)の中で空気がぶつかり合うことによるものですから、
タイヤ内部の音が多少減ったところで体感できるほどの差にはなりません。

タイヤやホイールの寿命が延びる つぼ的見解:△

空気には水分が含まれていますし、酸素自体も活性ガスなので、
長い間にホイール内側やタイヤ内部のスチールコードに悪影響を与える可能性があります。
対する窒素ガスは他の物質と容易には反応しない不活性ガスで、
ボンベから充填される窒素ガスでの水分含有量は僅かだと考えられますので
そういった心配が低減されると考えられます。

ただ、水分と酸素が影響してホイールとタイヤがボロボロになるのに、
何年かかるか想像もできません。
それ以前に溝がなくなるか、サイドウォールにヒビが入って交換しているはずですから、
実際にその恩恵をこうむることはまずないと思っていいでしょう。

タイヤバーストの予防・燃えない つぼ的見解:△

窒素ガスは不活性な分子ガスですから、
万が一タイヤがバーストした際に爆発や火災の元になることがありません。

しかし、大気中では結局大爆発してその延焼下で真空に近い状態にならない限り
回りの大気中の酸素ガスが延焼を助けますのでこの理屈はありえません。

航空機やF1のタイヤにいち早く窒素ガスが使われ始めたのは
航空機:翼に燃料が格納されててかつ飛行中はそのタイヤも翼の中、機体中に格納されていて
万が一の延焼・爆発の際に延焼をほう助する酸素ガスを低減される意味で代替的に窒素ガスが封入されている。

もう1つは飛行中には外気温-40℃以下まで低減するほどの高度に達する中
水分が含まれる空気をタイヤ封入ですとタイヤ内の凍結につながります。
この内部の水蒸気に凍結・液化・気化の3体が起こりうるためタイヤの性能維持用いられているという考え方。

タイヤ圧が低下しにくくなる つぼ的見解:△

これが窒素ガス充填のいちばんのメリットとされている部分です。
バルブ周りなどに特にトラブルがなくても空気圧が自然に低下して行くことは、
皆さん経験則としてご存知のことと思いますが、
窒素ガスを充填すると空気圧が低下しにくくなる、と言われています。

その理由として「分子のサイズが酸素より窒素の方が大きいので、
ゴムの微細な穴から抜けにくい」
という点が挙げられていますが、
実際には分子の大きさはそれほど変わらず、
質量だけを見れば酸素よりも窒素の方がいくらか軽いそうです。

ただ、気体が膜状の物質をどれくらい通り抜けるかを示した
【透過係数】というデータからみる通り
天然ゴムでは酸素の23.4に対して窒素は9.5、
ブチルゴムでは酸素の1.3に対して窒素は0.325と、

明らかに窒素ガスの方が透過率が少なくなっています。

この数値から判断すれば、空気よりも窒素ガスを充填した方がエア圧が下がりにくいことは確かです。

しかし、まったく抜けないわけではありませんし、
現実問題としてタイヤとホイールの接合面やエアバルブ、バルブのムシからの漏れもありますから、
定期的なチェックは欠かせません。
その時に空気で調整したのでは意味がありません。
仮にこういったトラブル的な漏れがないとしても、2〜3ヵ月に1回はチェックしたいところですが、
微調整のために500円、1000円かけてタイヤショップで窒素ガスを入れて貰うのも非現実的です。
個人的には1ヵ月に1回ガソリンスタンドなどでエアチェックすれば済むこと、
と思うのですがいかがでしょう。


結局、窒素ガス封入って

上記でコテンパンに否定してきましたが、でも私は窒素ガスを入れています。
それは窒素ガスの効能ではなく

タイヤ内の水分割合の減少に伴い、気温変化・高所変化によるタイヤ圧変動が減少する

これだけです。もちろん
日本では冬場の太平洋側の特徴的気象である
低湿度10%位(そのときの気温が10℃位)でドライエアー(乾燥空気)を封入することと
同様の効果が得られる。と思っています。

上記で長文の中で、ダイビング用の空気タンクの残圧が、温度によって変わる。ことを述べました。

つぼ個人的には、窒素ガス封入をする際、
窒素ガス密閉部屋(内圧を大気圧より高めに設定し大気混入を防止済)で
かつ作業者が空気ボンベとレギュレータ背負って
その部屋の中で窒素ガス封入作業を行ってもらわないと信じません
けど。
(多分「窒素ガス封入」価格がもっと高くなってしまい現実的な価格で無くなるでしょう)


タイヤに窒素ガスを充填する意味は多かれ少なかれ確かにあります。
仮に体感できるほどの効果がなかったとしても、悪影響を与える要素はひとつもありません。
ただ、空気圧調整が完全に不要になるわけではありませんし、
常識的なレベルであればタイヤがハネ回るほど内圧が上がることはありませんから、
一般公道でそのメリットが実感できるかどうかは疑問です。

「体感できるできないは別にしてメリットは確かにある。悪影響を与えることもない。
でも一般公道をあくまでも普通に走る車にとっては何が何でも必要なものではない」ということで、
窒素ガス充填問題のひとつの結論としたいと思います。


インチUPのリスク面

ファッション性を重視し『高扁平率化』が進みタイヤの空気圧による事故が増えているそーです。
ハリアーも言わず標準で17/18インチで55/235 などと店頭でも標準で無いくらいな高扁平率なので
今までの車経験の感覚でいるとタイヤの空気圧が結構減っていて思わぬ事故を招く危険性があるのでは?
個人的には危惧してます。(そのうちパンクレスタイヤが標準になったりして)
ましてや19/20インチへのUPなどはなおさらと思っています。

でも窒素入りだと気軽にスタンドでチェックできないじゃないの?おっしゃるとおりです。


まとめ

最後に
「タイヤに何を入れようが、成分よりも気温と走行場所高度に応じたこまめなタイヤ圧の管理が極めて重要」

として締めくくりたいと思います。


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