リア・ルームランプ 高輝度白色LED化とカレントミラー定電流回路の製作
Last Updated: Sunday, June 26, 2005 07:28:25


前置き

室内照明系総LED化計画の1つ。
リアルームランプのLED化です。

LEDルームランプは最近は店頭でも大分見かけるようになりましたが
DIYですので、少しこだわりも。市販品にはない、自らこしらえる楽しみと満足感ですね。

前置きなので、ちょっとつぼ的見解を。

【市販のLEDランプについての考察】

いわゆる市販品で車載用白熱球を置き換え対象としているLEDルームランプは
コストの関係から、「輝度を一定にする回路 = 定電流制御」はまずないでしょう。
単に電流制限抵抗を1本入れているだけです。
これはこれで欠陥ではないのですが、輝度一定で光らすことはできないです。
エンジン未稼働、稼動(オルタネータからの供給)で電圧が変わるからです。

店頭での光量確認も、じゃあ何V入れて光らせているの?を確認しないと。

ヒカリモノ全般に言えますが、明るい・暗いの話も
アイドリング中?エンジン(オルタネータ)停止中?
そしてそこへ供給電圧は何V? がないとその時点で同一環境にはなりえないのです。

「LEDだから長寿命である」の謳い文句も定格範囲(電流値)で使っていての話。

私もモノは試しと、某社のLED6ケタイプを1つ購入して分解してみましたが、
(結局ばらしてLEDだけ使ったという話も。。。。)

82Ωの抵抗1本(誤差±5%のカーボン抵抗)で白色LED直列2ケ×3列でした。
この場合ですと、LEDの定格(順方向電流20mA、順方向電圧3.6V)として使用するには、
供給電圧が12.12Vとなります。
(設計がそのようである)
82Ω抵抗値許容誤差が最大の-5%の78Ωの場合は、供給電圧11.88VでLEDへの定格電流を流すことに)

つまりエンジン稼動中ではNEWハリアーですと、13.5V程度は常時行くはずですから
大体25mA以上流れてしまうことになり、LED的にはすぐに壊れることはないでしょうが...
本当に寿命的に大丈夫なの?と心配なところもあります。(そのときはすごく明るい)

LEDに変えて純正白熱球バルブより明るい・暗いの話も、
・エンジン停止△×[V] (バッテリー電圧に依存)でとか
・アイドリング中○×[V] (オルタネータ動作)で
がないと、話にならない訳です。

【定電流ダイオード(CRD)を使って、白色LEDを車載で使う場合についての考察】

高輝度白色LEDの場合は車載供給電圧(12.0〜14.4V程度)で使用する場合

・電圧変動(エンジン未始動と始動後)如何に関わらず、順方向電流20mAの定電流制御(輝度一定と長寿命化の必須条件)
・車載なので温度変化(夏場・冬場)に耐えられること。
・高輝度白色LEDは順方向電圧3.6Vと高く、複数のLEDを駆動するには、供給電圧が低い

定電流制御用に定電流ダイオード(CRD)は回路と実装が簡単なのは特筆すべき点ですが...
白色LEDで使用する場合はどうしても、定電流特性を維持するのに5Vを必要とするため

CRD(5V)+白色LED(3.6V)×1ケ →  8.6V
CRD(5V)+白色LED(3.6V)×2ケ → 12.2V
CRD(5V)+白色LED(3.6V)×3ケ → 15.8V

と1回路で白色LEDは最大で2ケしか入れられないことになります。

しかも現在は単体で、20mA用というものは発売されていませんから、
10mA用(E103)を2個並列で接続することとなります。

1つ\50程度が2ケとコストがかかりすぎることと
消費電力的にあまり効率が悪いのです。

CRD(10mA2ケ並列 5V)+白色LED(3.6V)×2ケ → 12.2Vの20mAとした場合
CRD消費電力 0.1W
LED消費電力 0.144W
と4割は発光ではない、CRDで消費されてしまう点です。(発光効率は6割を切ってしまう)


最近は白色LEDも価格が下がり、CRDより安い場合があります。(今回は白色LED1ケ45円で入手)


設計構想

で、今後の室内照明系総LED化計画を進めていく上で

・純正白熱球より当然明るい
・できる限りの高効率化と純正比較での低消費化
・車載供給電圧(12.0〜14.4V程度)の変動如何に関わらず、輝度一定であること
・温度変化に強いこと
・超寿命設計?(定電流制御ができていれば良い)
・実装密度を挙げられること
・コストを安く..

う〜ん。ここまでくるとこだわりになりますね。
商品化できるんでは?と。

今回対象のリアルームランプは純正では8W(両口金:S8.5/8.5 ガラス球:T10×31)です。
かなりの消費電力です。
これはドアカーテシランプと違い、スイッチがありますので点灯をOFFすることができますが
地下駐車場で暗いため、できる限り低消費電力化を実現したのちにドア開の度に点灯してもらいたいと思っています。

これを白色LEDに置き換えるわけですが、8W白熱球に匹敵する明るさとなると
いったい 何個必要なのか?と。
手元で算出すると使用するLEDにもよりますが、10個位で匹敵するかと。
もう1つ重要なのはリアルームランプ ユニットの背面部分が非常に狭い ことがあり
ここに体裁よく納めることが必要となります。

大量?の高輝度白色LEDを使用するため
定電流回路は3端子レギュレータにより生成し、多段で定電流制御をするためと
実装スペースの関係とコスト面から、チップトランジスタによるカレントミラー回路を設計することとします。


回路図

下図が回路図です。
基板の大きさと実装スペースからΦ5LEDを使用した場合、3個×5列が限界のようですので
これに合わせて設計してみました。
作図にはフリーソフトの回路図エディタ BSch を使用


定電流回路

・20mA定電流生成
可変型電圧レギュレータIC「LM317LZ」は、Vout端子とVadj端子の間に一定の基準電圧(1.25V)を発生させます。
この2端子間に抵抗を取り付ければ、定電流源として機能させられるわけです。
今回は20mAが欲しいので62Ωの抵抗(金属皮膜抵抗 誤差1%)によって生成しています。
計算上は20.16mAですが、誤差を見越しておく必要があります。
62Ω抵抗で誤差1%ということは、基準電圧がきっかり1.25Vとしても
最大 62×1.01 = 62.62Ω →供給電流 19.962mA
最小 62×0.99 = 61.38Ω →供給電流 20.365mA
となるわけです。

ただ、LM317LZのデータシートや今回の実測でも1.25Vを超えることはないので
62Ω抵抗誤差1%のものが小さい方向に振れていても
発生電圧が下回るので20mA程度となり、定電流源として十分使用に耐えるでしょう。
過負荷保護機能と温度補償回路がこの小さなTO-92パッケージ(いわゆる汎用トランジスタと同じ)に詰められ
価格も90円〜120円程度ですので、これを使用します。


・可変型電圧レギュレータの熱損失対策
可変型電圧レギュレータIC「LM317LZ」はVin-Voutが3.0V以上が動作に必要ですが、
差が大きくなると発熱の問題が出てきます。(2.5V以上なら動くものが多い)
そこで抵抗でドロップさせて熱にするのももったいないので
LEDを直列に入れることでこの差を小さく(1ケあたり3.6V減らせる)できます。

R2抵抗を30Ω→160ΩにしてVin-Voutを抑える(Vcc=12.0V時 Vin-Vout=3.35V)のと
カレントミラー定電流制御回路の安定の一石二鳥を狙うのも有効です。


・カレントミラー回路による定電流回路構成
上記の定電流生成回路をを並列に定電流回路を作るには、
差動アンプでおなじみのカレントミラー回路です。
LM317LZを何個も使ってもいいのですが、それならCRDを使うのとコスト的に変わらなくなってしまいます。
LM317LZを使わずにカレントミラー回路で十分定電流制御部のが構成できるのですが
温度監視など充実していますのでこちらとペアで使います。
ここがしっかりしていれば、トランジスタが頑張って定電流性を維持しますので
安定した多段回路が組め、LEDを大量に光らせることができます。

Q1トランジスタはダイオードとして働いているのでここを1S1588とかに変えてもいいでしょう。
R2抵抗はチェナーダイオードに変えて温度特性の良いものを選択し、定電圧を維持すると
さらに安定性が増すでしょう。

・チップ型NPNトランジスタ 2SC1623T2B-L5
NEC製の汎用です。定番の2SC945に相当するものでチップ版がこれ。
ランクもL5でhFEも200程度とカレントミラー回路に使う上では十分です。
コレクタ電流を20mAの定電流制御を目的としていますので、
ベース電流は1回路あたり、0.1mA程度で回路動作が維持されます。

もう1つの定番2SC1815(東芝)のチップ版相当の2SC2712も同時購入し、これはバッグドアランプで使用しました。
実装面積を減らすことが主目的ですが、価格も安いので十分です。

・エミッタ接地バイアス抵抗
ここは安定動作をさせるためにはバイアス電圧を2V以上(100Ω以上の抵抗)が望ましいのですが、
定電流生成部(LM317LZ)の安定性がすばらしく良く、
バッテリー単体供給電圧が12.0Vでも輝度一定で光らせたかったことで
E24系列でない30Ω(E96系)で金属皮膜抵抗を使用し、バイアス電圧0.6Vとしました。
(供給電圧が12.0Vを切った場合は徐々に暗くなります)

最初は温度特性と実装面積から抵抗アレーを使用しようかと思いましたが
当時は入手できず。S2タイプにしました。
発熱は10mWで済みますので、1/8W(125mW)で十分です。


使用部品と価格

今回のDIYで使用した部品一覧です。
(価格は税込)

部品 型名 メーカ 単価 員数 購入先 備考
超高輝度LED(白Φ5) NSPW500BS 日亜化学 \45 13 パーツフォレスト 10ケ\450パック
チップ型NPNトランジスタ 2SC1623T2B-L5 NEC \7.25 5 40個パック\290 2SC945のチップ版
可変3端子レギュレータ LM317LZ National Semiconductor \105 1 共立エレショップ
金属皮膜抵抗(S2) 30Ω±1% 1/4W   \10 5 サトー電気
金属皮膜抵抗(S2) 62Ω±1% 1/4W \10 1
ユニバーサル基板   サンハヤト ? 1 ? ガラエポ基板
グリーンレジスト GR-303 サンハヤト ? 1 ?
部品代合計 \786.25

使用パーツデータシート入手先など

転載ができるか不明なので、とりあえずしないでおきます。
日亜の白色LED NSPW500BSの データシートは日亜のページで登録するとダウンロードができます。

購入先はリンクを張っておきます。


加工と製作の模様

まず純正標準での点灯状況と取り外しです。

標準点灯 ストロボOFFで真下から撮影

カバーを外すと こんな感じ

ユニットごと外します。 裏は結構高さがないので基板の配置、大きさにも留意です。

リフレクタ部をクロームメッキ塗装します。

外したものです。 マスキングします。下はフロント部

メッキ塗装をします。 マスキングを外した後です。

LED基板製作

回路図に従って配線です。基板の大きさは、リフレクタ開口部に合わせてです。
例のごとく、ハンダ面は汚いです......^^;

部品面です。LM317LZは立てるとLED発光の邪魔になるので
寝かせています。
真上から。LED隣のジャンパーは共通ベース電流と
エミッタ接地ラインが通っています。

ハンダ面。相変わらずの汚さです。(汗)
両端の三角見たいなのは
白熱球装着端子の穴に引っ掛けるためのです。
電球用の端子はつぶして穴の位置を合わせます。
純正の反射板は用なしです。

基板装着横から。 リフレクタユニットにはこのよう形で収まります。

動作確認

点灯するかはもちろんなのですが、電圧変動に対する定電流特性や温度変化に対する動作など確認します。

点灯確認 電源電圧 Vcc=12.04V 綺麗な純白

向きが向きだとこれです。 ユニット装着での発光

定電流特性の測定です。

Vcc=12.04Vで測定 3端子基準電圧は1.242Vで安定
ドライヤーを当ててもほとんど変化せず。
R1抵抗値61.9Ωなので発生電流は
20.0646mA
カレントミラー
エミッタ接地抵抗間電圧0.593V
抵抗R2実測30.1Ωなので
電流は19.7mAで安定しています。

供給電圧を可変させた定電流特性をグラフに書き出したデータもあるのですが
Vccが11.7V〜14.4Vまではほとんど上記結果のまま一定です。(グラフ的にはつまらない..)
要は11.7V以下でようやく供給電流が落ち始めるといったところ。
非常に安定した定電流回路となっています。

実測データを回路図上に書き出してみますと以下の様になりました。


実際の装着と点灯状況

グリーンレジストでちょっとプリント基板らしくして装着 裏の溝の幅には一応収まります

カバー外した状態で点灯。ストロボ強すぎ.. カバー装着で撮影。完成です。

総評とまとめ

いかがでしょうか?純正より明るくかつ蛍光灯ランプの様で
字も読みやすくなっています。

今回のLEDランプは売りとしては....
・部品代も800円以下。市販の半値
・国産超高輝度白色LED13ケ使用。LEDの数は市販の倍以上。
・高精度で車載電圧変動でも安定した定電流供給による輝度維持と長寿命設計
・消費電力に対する発光効率は85%以上
・保護回路・温度補償回路内蔵

これを製品にするといくらになってしまうのか?恐ろしいところです。
市販ではLED6個で抵抗1本が入っただけで2,000円位するようですね。
(原価はおそらく300円しないでしょう...)

当初はLuxeon 1Wを使用することを考えたのですが、
背面部分に隙間がなく回路を入れるところが厳しいため断念しました。

もっとも発光効率とエンジン未始動での
バッテリーへの負荷を考慮したこともありますので、
Luxeon仕様だとほとんどが熱になってしまい、
定電流部か電流制限回路も含めたトータルでの消費電力を考えると
こちらの方が結果としては良かったかと。

消費電力ですが、下表の様になります。(12V時)

12V時 LED発光部 定電流回路
カレントミラー回路部
トータル消費電力 発光効率
リア・ルームランプLED13ケ版 0.936W 0.145W 1.081W 86.6%
省エネ度 白熱球8W→LED化1.081W 86.5%削減

上記には、可変3端子ICLM317LZの電気特性に合わせて
ラインレギュレーションMax 0.04%/V
ロードレギュレーションMax 0.5%(mA)とした場合
消費電力 6.05V*0.04% * 20mA*0.5% = 0.000000242W


基準電圧用で
ラインレギュレーションMax 0.07%/V
ロードレギュレーションMax 1.5%(mA)とした場合

1.25V*0.07% * 20mA*1.4% = = 0.0000000875W


今回のLM317LZ使用において
最大に見積もっても 0.00000033W(0.33μW)のため無視できる値となります。

今回の測定では Vin-Vout = 6.465V なので上記計算より多少増えますが...

輝度ムラもなく、明るく照らしています。
定電流生成部はLED1ケでしたが、 もう1つ入れても動作しそうです。

バッグドアランプ では更なるLED増でやってみることに...(2004/07/04UP)。

赤色LEDを使用した場合(カーテシランプ・LED18ヶ)も掲載追加しました。
カレントミラー・高効率化 LED18ヶ版 もご覧ください。


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