Luxeon マップランプ LED化 DIY製作
Last Updated:
Sunday, June 26, 2005 07:28:40
室内照明LED計画の1つ。LEDルームランプ(マップランプ)です。
ここは「読書灯」とも呼ばれる(本当?)ランプです。
ここをLED化する前には、
RAYBRIG R135 プラチナホワイト
へ交換はしていましたが
やはり、純白色(3,800K)とは言えない..ならば白色LED化したいと。
ここに使用されている電球は 12V8Wクラスで
です。
ここは、クリアレンズを通して、運転席・助手席で手元まで「きっちり」照射できるようにしてあります。
ぼんやり照射ではなく、あるモノを自然に視覚で見れる照明が必要なところです。
ところがここのレンズ面積が狭く、単純に砲弾型LEDへの換装では光量が足りず
とても電球置き換えにはなりません。
で
このサイトで再三登場する ハイパワーLED Luxeon を使ったものを製作すること
にしました。DIYの楽しみですね。
「Luxeon」
というのは米国 San Joseにある
Lumileds Lighting社
(LLC)の登録商標であり
超高輝度LEDの製造・販売メーカーです。
このLEDを車載用途して市販したものは
2004年7月/Eに市販品としてPIAAから発売されたLEDポジションランプ(車幅灯)用
1W仕様超ハイパーLED『TERA』
(品番:H-370 品名:PIAA超ハイパーLED)
などが有名?です。
今回はこのLuxeon LEDを片側(運転席側、助手席側)に付き2ヶずつ使うこととし
「室内LED化計画 ルームランプ・マップランプのLED化」としての
DIY内容お題目は、
構想・設計・部材購入・製作・取付・評価・測定 全てを行うこととします。
|
マップランプ LED化要求仕様 -- 配置と回路構想
|
さて、電球を超える明るさをLEDに置き換えするに当たっては
ハイ!置き換え!というのは簡単ですが
キチンと使える(つまり実用に耐えうるモノ)ためにはそれなりに
設置環境とその配光特性を考慮する必要があります。
なぜなら、LEDは照射角度が狭く1つではとてもまかない切れないことで、複数個を利用した場合で考えて見ます。
運転席側マップランプでの比較です。
|
純正白熱球でのマップランプ配光
|
Luxeon LED化でのマップランプ配光と構想
|
|
|
上図を見ての通りで、マップランプとしては
【ルームランプの1つとして広く正面照射】
青色での発光範囲です。そのためににランプハウスの中央に配置
ここは中央集中照射ではなく、広く照射の観点からLuxeonのSide Emitterが適しているかと
ただし、1ヶでは白熱球の光量には太刀打ちできませんから
縦長を上半分、下半分で2ヶ分担もありかと?考えましたが...
・口金部分がネック
・Luxeonの発熱をどう廃熱(熱を外に逃がすか..)
でここは中央に1ヶ無難に配置するのが良いかと。
【読書灯としてスポット的により明るい部分照射】
赤色矢印です。クリア斜面レンズを通して照射。この角度に合わせてLEDを配置
ここはスポット照射ですので、LuxeonのLambertian(140度) が適しているかと
白熱球ではさらに背面のリフレクタ反射による照射もありますが、
Luxeonでリフレクタ反射を期待して既存のリフレクタを使うには配置が少々難しいのと
Luxeonの放熱用ヒートシンクを設置する観点から、これは使えないと
中央に正面照射用のLuxeonのSide Emitterを配置すると
ちょうどその光も少しばかり応援してもらえるため
つまり、最低「2ヶ」は不可欠と考え、これに応じた電源回路を考慮します。
【Luxeon LED用電源回路】
Luxeonの使用個数を2ヶとしましたので、制御回路と配置環境から、
回路として求められるのは
・純正マップランプスイッチを使えること
・Luxeon LED 1Wを2ヶ直列接続(順方向電圧 定格3.42V×2=6.84V ... 実際はIf=350mA時Vf=4.0V近辺まで)
・ムーンルーフパネルモータ動作時の逆起電圧に耐えること(Luxeonは逆方向5Vの電圧で駄目に)
・そばに電装品基板・ETCユニットが配置していることから、ノイズ発生のなきこと
・定電流制御 (Constant Current Control:LEDの電源としては、まあ当然)
・ドライブ電流を300mA程度
・空冷ファンモータ動作回路連動(後に不要にしました)
上記で回路を練ってみることに
制御回路の前に純正での回路からです。
以下の様になっています。
|
純正フロントルームランプ回路図
|
|
今回は上記破線枠内を置き換えしますので
(センターのフロントルームランプはすでにLED化済み)
|
Luxeon LED化回路図
|
|
回路図では結構簡単なのですが、上述の要求仕様に対して結果として
【純正マップランプスイッチを使えること】
口金部分にLED回路を挿入することにしました。
|
口金部はこんな形にすることに
|
|
【ムーンルーフパネルモータ動作時の逆起電圧に耐えること】
Luxeonは瞬間的であれ、逆方向電圧(K:カソードを+電位)で5V以上かかるとお亡くなります。
通常の使用においてはエンジン始動時のセル回転やモータ駆動(パワーウインドウ他)で
瞬間的にノイズとしてでもあり得ますので
このためには逆起電圧発生による逆流防止のためダイオード挿入です。
(電動ムーンルーフマルチパネル動作で簡単に逆起電圧が発生するので)
ショットキー的な使い方です。(ショットキーダイオードだと順方向電圧は0.2Vクラスが多いですが..)
また、通常点灯時は順方向電圧のかさ上げで、
定電流回路での入出力電位差を少し緩和させることも狙っています。
【ノイズ発生防止】
電源生成部(定電流制御部)が大きなところで、
当初は変換効率と発熱を考慮し、スイッチング回路を予定していましたが
やはりリニアレギュレータによる定電流生成へ変更しています。
(オーバーヘッドコンソール周りの基板、ETCユニットがあり非常に重要)
反面そのデメリットが今回どうするかが設計のポイントです。
・変換効率が悪く、発熱する
・入出力電位差3Vが必要
・今回は320mAを流すため入出力電位差3Vで0.96Wの発熱
・車載用途として電圧変動対応と発熱を抑えるために最低動作電圧を何Vにするか?
【320mA駆動:定電流制御】
定電流制御は、照明・車載用途としてLEDを利用している限り
温度変化によるLEDの順方向電圧と電源供給電圧が変動することに対して
過電流供給防止と輝度を一定に保つためには不可欠です。
1Wの白色Luxeon LEDの場合、接合部温度が25℃において、
順方向電圧は 2.79〜3.99V(typ.3,42V)とバラつくだけでなく
温度係数は -2.0[ΔmV/Δ℃]となっています。
つまり、摂氏25℃環境ですら、1.2Vの変動があるだけでなく
夏場:55℃(室内)
冬場: -5℃(室内)
とすると、それだけ±30℃の温度変化で更に±60[mV]も広がるため、
順方向電圧は 2.73〜4.05V(typ.3,42V:変動範囲1.32V)まで見越す必要があるわけです。
これを抵抗による電流制限や定電圧回路では対応できませんので
やはり、定電流制御でなければ駄目な訳です。(まあ、基本とも言えますが)
消費電力に対するLED発光にかかる消費電力としての「効率」は落ちますが
上述の温度変化に対応することと、ノイズ発生を極力抑えることから
可変3端子レギュレータで定電流源を生成することになりました。
LM317Tの基準電圧が1.25Vですので、300mA程度の定電流源として動作させるためには
Vout-Adj端子間に4Ω程度の抵抗を挟む事で生成しています。
ただ、非常に低い抵抗値ですので
・E24系列
・抵抗値誤差の小さなもの(±5%以内)
・耐熱1W
を満たすとなると、
3.9Ω (供給電流:320.5mA 抵抗損失:0.400W) か
4.3Ω (供給電流:290.7mA 抵抗損失:0.363W)
になりますが、3.9Ωにしてしまいました。
抵抗誤差±5%以内ですので誤差最大として取ると
-5%誤差(3.705Ω:供給電流:337.4mA)
+5%誤差(4.095Ω:供給電流:305.3mA)
と最大誤差を見越しても、定格を超えることは無いのでこれを選択します。
(当然LEDの発熱が大きくなりますが..)
【空冷ファンモータ動作回路連動】
当初は、Luxeon LEDの発熱に対する放熱設計としてPC用のDCファン制御回路を挿入していましたが
やはりファンモータの動作音が結構うるさく、いろいろ温度測定を重ねながら
LEDの背面にヒートシンクの装着で空冷は不要と判断に至りましたので削除しました。
Luxeon LEDを使用した場合に避けて通れない、放熱設計。
光量が非常に大きく魅力の高いものですが、非常に大電流を必要とすることから
ここの放熱設計はMUSTです。
【Luxeon LED発光部分の放熱設計】
1W Luxeonを直列で至近距離で配置しているため、2W熱源があるとして
ヒートシンクを70℃以下になることを想定しています。
また、Luxeonとアルミ板との接合には、
固まる放熱シリコン
で接合し、
周りを温度耐久性に優れた
セメダインスーパーX No.8008
で固定しています。
放熱設計についてのアプリケーションブリーフAB05
日本語版は
こちら
データシートはAcrobat文書です。Acrobat Readerのダウンロードはこちら。
|
結局、チップ用ヒートシンク追加をすることに
|
このヒートシンク1つでの露出表面積は870.04[mm2] (1.3486[inch2])増加
|
|
|
2ヶ追加により、口金除くトータルのヒートシンク表面積は
|
アルミ板:
|
約548[mm2] (1.3486[inch2])
|
|
後付ヒートシンク:
|
870.04 [mm2] × 2 = 1740.8 [mm2]
|
|
トータルヒートシンク表面積
|
2288.8 [mm2] = 3.548 [inch2]
|
このヒートシンクはプレート形であるため取り付け指向性が出てきますが
・Luxeon LEDの真裏に装着
・フィン向きが真上
・フィン放熱プレートが平行
により口金部を除くヒートシンクの放熱効率はかなり高まっています。
【定電流生成部分の放熱設計】
本当は低ドロップ降圧シャントレギュレータで、ここの損失を抑えると共に
ヒートシンクが不可欠なLM317Tを使わないでと考えましたが
結局妥協してしまいました。
リニアテクノロジーの LT1616 などヒートシンクがいらない(つまり放熱設計が不要)
なものを探していましたが
ここの発熱の最大を見積もると
1.93W (入出力電位差 5.71V、供給電流 337.4mAとして)
TO-220用ヒートシンク(19.5℃/W)を選択しました。
|
ヒートシンク特性(設計仕様:0.916W〜1.93W程度の変動)
|
|
参考ながら費用と購入先を
Luxeonに関しては、本家
lumileds.com
のサイトでも注文可能なのですが、
(
Future Electronics
を通したオンライン注文:激安..1ヶ USD7ドル以下)
現在、米国かカナダからしか注文できない状態です。(準備中らしい..)
そのため、上記
luxeonstar.com
サイトからの購入です。
(Airで頼めば、日本輸入時の税関チェックも含めて大体10日ぐらいでの購入ができます。)
では、実際の製作内容です。
|
口金部+端子から電源電圧取り出し配線
|
LED装着するアルミ板をラフに(青色テープは傷防止のため)
|
|
|
|
口金部の脱着での回転と廃熱のためこの形に。+は中央部
|
マップランプスポット照射レンズ角度に合わせて角度付け
|
|
|
|
Luxeon LED装着位置確認です。
|
ダイオードを取り付け。口金とアルミ板固定後、保護テープをはがしLED装着
|
|
|
|
助手席側:発光側。まだ定電流供給側未接続
|
裏・放熱面
|
|
|
ヒートシンクの高さも考慮すると、基板をどこに配置するかが問題です。
|
この赤枠内だと奥行きもあり、干渉しないのでここに
|
ちょうどその部分に10mmスペーサを通して基板を配置することに
|
|
|
|
基板内のレイアウト
|
装着横から見たところ
|
|
|
|
上から:コンデンサのGNDも接続
|
振動対策で、ヒートシンクを縛り、電解コンデンサはRTVゴムで固定
|
|
|
装着後の点灯状況の撮影です。
シャッタースピードを上げて、絞っています。(肉眼だとまぶしい)
カバー無し
撮影条件 F2.80 1/40s ISO感度:100固定 焦点距離:5.0mm
|
カバー装着で
撮影条件 F4.0 1/125s ISO感度:100固定 焦点距離:5.0mm
|
|
|
装着後の点灯状況の撮影です。
あまりにも明るいのでストロボ点灯で撮影しているように見えますが、強制OFFです。
画像処理はリサイズのみ。露出時間が長いので手ぶれ気味ですが..
(EXIF付けていますが、時計設定忘れのため、撮影日付が 2003/08/13となっています)
助手席足元の照射状況
撮影条件:S優先 F2.8 1.6s ISO:100固定 露出補正:±0EV 焦点距離:7.0mm
|
後部座席から見たところ
撮影条件:S優先 F2.8 1.6s ISO:100固定 露出補正:±0EV 焦点距離:7.0mm
|
|
|
マップランプなので、字が読めますか?というところです。
車の中で本を読むことははっきりいってありませんが、
CDケースと曲目を読むことはしょっちゅう
で、光源の具合も見れるのでその状況です。
片側だけだとどうか?です。
運転席手元方向への照射状況
撮影条件:F2.8 1/100s ISO:100固定 露出補正:±0EV 焦点距離:5.0mm
|
CDジャケットをハンドル上で(助手席側マップランプOFF)
撮影条件:F2.8 1/30s ISO:320 露出補正:±0EV 焦点距離:5.0mm
|
|
|
期待通りの明るさです。
心配した放熱もそこそこいっているようですので、このまま様子見。
温度上昇測定(室温21.7℃)
連続通電1時間後の発光部中央付近の温度(この温度近辺で変動無し)
|
|
消費電力ですが、約半分。下表の様になります。(12V時)
|
12V時 320.5mAドライブ時
|
LED発光部
|
定電流回路
(3端子入出力差:3.31V、基準電流抵抗)
逆起電圧防止ダイオード
|
トータル消費電力
|
発光効率
|
|
Luxeon 2ヶ版
|
2.192W
|
1.654W
|
3.846W
|
56.99%
|
|
省エネ度
|
白熱球 8W→LED化 3.846W 51.2%削減
|
【実測値データ】
以下の感じです。(左右分含む)
冬場のせいもあり、Luxeon LEDの順方向電圧が
大体4V近辺
と、高め(もちろん仕様範囲)が幸いしてか?
定電流制御での降圧による熱損失が若干低めの様です。
その場合ですと発光効率が68%程度まで高まります。
|
|
電源電圧[V]
|
LM317T
基準電圧[V]
|
基準抵抗値
[3.9Ω±5%]
|
駆動電流[mA]
|
Luxeon順方向電圧[V]
(2ヶ直列)
|
|
エンジン未始動
|
12.88-12.96
|
1.239-1.251
|
3.8-4.0
|
312.00-329.21
|
7.12-8.29
|
エンジン稼働
(アイドリング:約700rpm)
|
13.71-13.73
|
1.249-1.251
|
3.8-4.0
|
312.25-329.21
|
7.09-8.42
|
特に冬場であり、かなり冷えているとき(5℃位)は、Luxeonの順方向電圧は2個直列で 8V越えと
かなり高めにです。
この結果、バッテリーからの供給のみ(朝一のエンジン未稼働)の場合は
バッテリー電圧が12.8V以上と高めにも関わらず、
可変3端子レギュレータLM317Tの入出力電位差は3Vを下回ることもあり、
結果、Ref基準電圧が1.25Vを下回る場合があります。(1.23V台)
つまり、もう1つの発熱の心配だった可変3端子レギュレータLM317Tの発熱は
逆起電圧防止のダイオードで降圧したのが返って仇となる形になりました
最小(1W以下)の熱損失で済んでいるためか、ヒートシンクもちょっとぬるい?(暖かくない..)という感触のままです。
Luxeonの順方向電圧の変動は温度依存もありますが、かなり幅が広いので、
設計泣かせですね。
【定電流駆動回路に専用ICを使う】
Luxeon LEDの定電流制御用に専用ICを使っても良いかと思います。
Luxeon LED 字光式ナンバープレート照明 改造(透過方式番号灯装置 LED化)
で使用してみました。
(
ON Semiconductor
からの
NUD4001
High Current LED Driverを使っています。)
|
人来訪中
|