バックドア・ランプ 高輝度白色LED化とカレントミラー定電流回路の製作
Last Updated: Sunday, June 05, 2005 07:13:18
前置き

室内照明系総LED化計画の1つ。
バッグドア・ランプのLED化です。

LEDルームランプは最近は店頭でも大分見かけるようになりましたが
これもDIYでいくことに。(しかない...)。

標準では
・ラゲージランプ(2ケ) ---  5W(両口金:S7/8 ガラス球:T8×29)
・バックドアランプ ------  5W(両口金:S7/8 ガラス球:T8×29)

とまったく同じ構造でありながら、バッグドアが全開時には結構な高さとなります。
足元まで明るく照らしたいと考え、ルームランプ系で最も明るくしようと計画しました。

理由はいろいろあるのですが、
足元が見えなかったばっかりに、ちょうど中央の水溜り?に足を入れてしまい
ずぶ濡れになってしまったところからきています。
暗いところで停車、運転席からパワーバックドアを開けて後方に回ったところにあった訳です。

LED化以前に、ここは5W(両口金:S7/8 ガラス球:T8×29)で、
「照明」としての機能は実質果たしていません。(と思ってる..)
単に光っている程度と。
ルームランプ並に明るくしたいということがあります。
つまり、「照明としての機能面」と「低消費電力」の両極?2極?を求めての改造です。

リアルームランプLED化 と同様、大量の高輝度白色LEDを使用するため
定電流回路は3端子レギュレータにより生成し、多段で定電流制御をするためと
実装スペースの関係とコスト面から、チップトランジスタによるカレントミラー回路を設計することとします。
CRD (Current Regulative Diode : 定電流ダイオード)を使用しないで回路設計してみました。


設計構想

で、今回、 リアルームランプ との違いは、この際の製作経験と測定結果に基づき

・カレントミラー段数を4段→5段へ(LED3つ増加)
・カレントミラー用トランジスタを 2SC2712Y(東芝 2SC1815Yのチップタイプ)
・定電流制御段は可変電圧レギュレータのVin-Voutが高いのでもう1つLEDを追加(1ケ)
・実装スペースは同様に狭い
・LED数トータルは17ケ

明るさをさらに求めて作ってみました。


回路図

下図が回路図です。
作図にはフリーの回路図エディタ BSch を使用


定電流回路

・20mA定電流生成
可変型電圧レギュレータIC「LM317LZ」は、Vout端子とVadj端子の間に一定の基準電圧(1.25V)を発生させます。
この2端子間に抵抗を取り付ければ、定電流源として機能させられるわけです。

そして車載用で定電流回路を作成する上で重要な、
・エンジン未稼働(オルタネータ未供給)での12V近辺から
・エンジン稼動時(オルタネータ供給)での14.4V程度
入力電圧が変動することに対する
定電流供給をを可能とすべく抵抗やCRD(E-103)×2ケを使用しないことにしています。

これは白色LEDの順方向電圧が3.6Vと高く、
4V程度で定電流供給(可変型電圧レギュレータICの電圧ドロップ分3Vと基準電圧1.25V)
は他の方式ではなし得ないことからです。

今回は20mAが欲しいので62Ωの抵抗(金属皮膜抵抗 誤差1%)によって生成しています。(計算上は20.16mA)
過負荷保護機能と温度補償回路がこの小さなTO-92パッケージ(いわゆる汎用トランジスタと同じ)に詰められ
価格も90円〜120円程度ですので、これを使用します。


・可変型電圧レギュレータの熱損失対策
可変型電圧レギュレータIC「LM317LZ」はVin-Voutが3.0V以上が動作に必要ですが、
差が大きくなると発熱の問題が出てきます。(2.5V以上なら動くものが多い)
そこで抵抗でドロップさせて熱にするのももったいないので
LEDを直列に入れることでこの差を小さく(1ケあたり3.6V減らせる)できます。
前回はトランジスタの損失が小さく、これならLEDを直列に2ケ入れても安定動作ができそうだと。
(入れて実験もしてみました)


・カレントミラー回路による定電流回路構成
上記の定電流生成回路を並列に定電流回路を作るには、
差動アンプでおなじみのカレントミラー回路です。
LM317LZを何個も使ってもいいのですが、それならCRDを使うのとコスト的に変わらなくなってしまいます。
LM317LZを使わずにカレントミラー回路で十分定電流制御部のが構成できるのですが
温度監視など充実していますのでこちらとペアで使います。
ここがしっかりしていれば、トランジスタが頑張って定電流性を維持しますので
安定した多段回路が組め、LEDを大量に光らせることができます。

Q1トランジスタはダイオードとして働いているのでここを1S1588とかに変えてもいいでしょう。
R2抵抗はチェナーダイオードに変えて温度特性の良いものを選択し、定電圧を維持すると
さらに安定性が増すでしょう。

・チップ型NPNトランジスタ 2SC2712Y
前回はNEC製の汎用・定番の2SC945に相当するものでチップ版2SC1623を使いました。

今回同時に購入したもう1つの定番2SC1815(東芝)のチップ版相当の2SC2712(Yランク)を使います。
こちらの方が少しコストUPになるのですが、コレクタ電流を150mA流せます。
ランクもYランクですが、今回入手のモノはおおよそhFEも200程度と
カレントミラー回路に使う上では十分です。
コレクタ電流を20mAの定電流制御を目的としていますので、
ベース電流は1回路あたり、0.1mA程度で回路動作が維持されます。


・エミッタ接地バイアス抵抗
ここは安定動作をさせるためにはバイアス電圧を2V以上(100Ω以上の抵抗)が望ましいのですが、
定電流生成部(LM317LZ)の安定性がすばらしく良く、0.6Vでも十分機能しました。

今回はより実装面積が少なく、抵抗アレーを使用しようかと思いましたが失敗。
高さが合わず、カバーが閉まらず作り直し。
じゃあ、チップの抵抗アレーにしようと考えましたが、これまた、抵抗誤差の関係で断念。
結局、S21/4W金属皮膜抵抗 1%誤差品にしました。


使用部品と価格

今回のDIYで使用した部品一覧です。
(価格は税込)

部品 型名 メーカ 単価 員数 購入先 備考
超高輝度LED(白Φ5) NSPW500BS 日亜化学 \45 17 パーツフォレスト 10ケ\450パック
チップ型NPNトランジスタ 2SC2712 (Y) 東芝 \8 6 パーツフォレスト 30個パック\240 2SC1815のチップ版
可変3端子レギュレータ LM317LZ National Semiconductor \105 1 共立エレショップ
金属皮膜抵抗(S2) 30Ω±1% 1/4W \10 6 サトー電気
金属皮膜抵抗(S2) 62Ω±1% 1/4W \10 1 サトー電気
ユニバーサル基板 サンハヤト ? 1 ? ガラエポ基板
グリーンレジスト GR-303 サンハヤト ? 1 ?
部品代合計 \988

トランジスタ単価がちょっぴり上がっていますが
それでも部品代は税込み合計で\1,000以下になっています。


使用パーツデータシート入手先など

転載ができるか不明なので、とりあえずしないでおきます。
日亜の白色LED NSPW500BSの データシートは日亜のページで登録するとダウンロードができます。

購入先はリンクを張っておきます。


加工と製作の模様

まず純正標準での点灯状況と取り外しです。

純正標準点灯です。 外したところです。両口金:S7/8 ガラス球:T8×29 5Wです。

幅の確認 奥行き寸法の確認

アイドリング(700rpm)での点灯時端子間電圧 アイドリング(700rpm)での無負荷での供給端子間電圧です。

リフレクタ部をクロームメッキ「風」塗装します。

塗装前です。 塗装後

LED基板製作

回路図に従って配線です。基板の大きさは、リフレクタ開口部に合わせてです。
例のごとく、ハンダ面は汚いです......^^;

電球を受ける端子を切断します。 基板を下記のように加工します。
基板を乗せたところです。SWも生かそうとの計画です。
ちょうど基板が受けられますので問題なしかと。
LEDの配置と実装部品の高さなどの確認です。
LEDの照射角度と間隔などの見極めです。
で、部品装着です。右下のハゲは、
部品面もクロームメッキ「風」塗装が剥げた物です。
ハンダ面です。相変わらずです。(汗)
しかも後ピン。
基板部品面斜めから。 横から
スイッチ側から グリーンレジストでハンダ面の保護です

動作確認

点灯するかはもちろんなのですが、電圧変動に対する定電流性や温度変化に対する動作などの確認です。

無事点灯(F4.0 1/400 ISO感度100で撮影) レンズ装着です。(F4.0 1/160 ISO感度100で撮影)

定電流特性の測定です。

Vcc=12.04Vで測定 3端子基準電圧は1.234Vで安定
ドライヤーを当ててもほとんど変化せず。
R1抵抗値61.5Ωなので発生電流は
20.065mA。Vcc=10.78Vまで一定でした
カレントミラー制御側R7抵抗値
このエミッタ接地抵抗間電圧0.601V
抵抗R7実測値30.1Ωなので
エミッタ電流は19.97mA。

Vccが定電流供給可能な下限Vccを設計的には12.65Vとしましたので
12.04Vはわざと低めです。(かと思っていた)
しかしながら安定。Vccをどんどん下げて行き、10.78Vまで下げたところ少し供給電流が落ち始めるといったところ。
20mA定電流供給可能な入力電圧範囲は10.80〜14.40V (上限VccはDC40Vまでは定電流供給可能)

非常に安定した定電流回路となっています。

実測データを回路図上に書き出してみますと以下の様になりました。


実際の装着と点灯状況

部品と干渉するので多少削っています。
写真、良く見たら左側ちゃんとハマっていませんね (笑)
反対側。基板の浮きもないです。
(3端子が支えていて動かない...)
装着したところです。 白色LED化したルームランプ・ラゲッジランプと一緒に

照射状況

肝心の実際、字が読める明るさなのか? 完成した 6/19(土)の新聞を
目視で見た明るさに、露出を合わせて撮影してみました。(Exif付)
すべて、シャッタースピード優先モード
・ストロボ強制OFF
・ISO感度100固定

F2.8 1/3 新聞も読めます。ストロボOFFです。
F2.8 1/2s ラッゲジランプと併用 F2.8 1/2s ラゲッジランプをOFFした場合

総評とまとめ

いかがでしょうか?純正より「はるかに明るく!」かつ低消費電力(白熱球の僅か28%の電力で)を達成し、
純白照明が蛍光灯ランプの様で綺麗に照らしています。
バックドアランプとしての本来期待していた機能となりました。
もちろん、大きさはラッゲジランプと同様なので同じものをあと2個作るかは考えます...^^;

消費電力ですが、下表の様になります。(12V時)

12V時 LED発光部 定電流回路
カレントミラー回路部
トータル消費電力 発光効率
バッグドア・ランプLED17ケ版 1.224W 0.169W 1.393W 87.8679%
省エネ度 白熱球5W→LED化1.393W 72.14%削減(1/3以下へ)

赤色LEDを使用した場合(カーテシランプ・LED18ヶ)も掲載追加しました。
カレントミラー・高効率化 LED18ヶ版 もご覧ください。
人来訪中