NEW ハリアー デフ・トランスファーオイル の交換編
Last Updated: Sunday, April 8, 2007 19:35:12
前置き

ATF交換 と一緒にこちらも2回目の交換で初レポートです。
特に4WD車の場合はこちらも重要で、同時交換すべきところです。

フルタイム4WDであり、ATFのメンテと合わせてフィーリングに関わってくるところです。
「常時」前輪50%、後輪50%にトルク配分を行うフルタイム4WDシステムであり
ここのメンテナンスは 挙動の安定という意味で、ATFと並んで重要 なところです。

もう1つの目的は、 オイルシール合口部からの「オイル漏れ防止」 です。
シャフトを使うものの宿命ですが、磨耗粉がオイルシールに噛み合うとオイルを遮断している部分(合口部)を
破損し、シャフト部からのオイル漏れとなるわけです。
これはオイルの劣化ではなく、オイル混入のギア磨耗粉によるものです。

ですから、オイルの劣化での交換だけでなく、異物の排出をする目的としても
定期的なメンテナンスが必要となってくる訳です。
デフオイル系の交換目的はむしろこちらがメインかもしれません。

初回は冬場に行ってしまい、
廃油が出ずらい、新油給油も時間がかかり
やはり夏場に行うべきとの反省です。粘度が高いわけでして当然です。

FF車の場合はこのページは意味がありません。
トランスファーオイル・リアディレンシャルオイルもありません。

この箇所は4WDが対象でして、エンジン形式(2.4L,3.0L)関係なく量・指定銘柄は同じです。
VSC有無はフロントディファレンシャル→センターディファレンシャルから
ビスカスカップリングが有るか無いか(VSC有車はビスカスカップリングがありません)ですので
メンテとしてのオイルとしては同量の模様です。

駆動方式と交換箇所

エンジン形式

指定銘柄

1MZ-FE(3.0L) 2AZ-FE(2.4L)
FF(2WD) ATF(トランスアクスルフルード) 8.9L 8.6L

トヨタ純正オートフルードタイプIV

4WD(AWD) ATF(トランスアクスルフルード) 9.1L 8.4L
トランスファーオイル 0.9L 0.9L

トヨタ純正キャッスルハイポイド
ギアオイルSX (API GL-5 SAE 85W-90)

リアディファレンシャル 0.9L 0.9L

トランスファーギアオイル

正確にはトランスファー部は
・トランスファーリングギヤ(トランスファーストドライブギア)
・トランスファードリブンピニオン(トランスファードリブンギア)
で構成され、ギヤの噛み合わせ部分の潤滑オイルです。

ミッションオイルと後述のデフオイルが同じことはあまり無いのですが
ハリアー4WDの場合同じオイルが推奨されています。

VSC装着車は、TRC制御によって前後の差動制限を行うシステムとなっています。
このため,トランスファー部の差動制限装置部が無くなっています。

減速機構の歯車に「はすば歯車」
差動機構の歯車に「すぐばかさ歯車」
を用いたフロントディファレンシャルが採用されています。
ここの潤滑油が「トランスファーギアオイル」です。


リアディファレンシャルギアオイル

デフオイル とは?
ディファレンシャル・ギアオイル の略です。
通称「デフオイル」
フロント、センター、リアと配置場所により「どこのデフ」かを区別しています。

デフの働きは大きく分けて以下のように3つ
・減速してトルクを増大させる働き。

・差動装置としてコーナーリングのとき、内側のタイヤの速度は遅く、外側のタイヤは逆に速度を早くする必要があります。
この機能をデフケースの中にあるサイドギアとデフピニオンが作用し
ピニオンの自転を利用して片方のサイドギアに回転差を与える働き。

・駆動力を直角に変更する方向変換作用。(プロペラシャフトの力を直角に変換する作用)

ギア部には、滑り摩擦と転がり摩擦が発生し、歯面荷重が大きいほど摩擦が大きくなり高い熱を発生します。
特にハリアーの様に重量のある車は、デフの温度の高温化が十分考えられます。
そのため、ギアオイルに求められるものとその役割は

・高い粘度指数と油性が必要
・ギアのかみ合いを助ける
・大きな歯面圧に耐えること
・衝撃を吸収し潤滑と冷却の役目を果たす

デフ・トランスファーに使用される メーカーの指定は
トヨタ純正ハイポイドギヤオイルSX(SAE85W-90,API分類GL-5)
です。
「ハイポイドギアオイル」は極圧性オイルです。

【極圧性】とは
高温になった場合、金属表面に化合物を作り金属同士の接触を防ぎ、負荷を分散させる働き)が高い。

これに交換するのが最大公約数的に無難です。
(ベストとは言いません。純正より優れたオイル、同等性能で価格の安いオイルもある訳ですし)


交換時期と留意事項

ポイントは
・ATF交換と一緒がよいのでは?
・4WD(AWD)の場合は、トランスファーとリアデフを同じオイルにし、同時交換。
・粘性はSAE90以上にしておく
・API分類GL-5以上のグレードを選んでおく

ことでしょうか。あとはお好みです。

オイルの交換時期については、走行環境により一概に言えませんが、
確実に言えるのは重量があるため、オイルの劣化は早いということです。
(エンジンオイル・ミッションオイルなども同様)

そのため、トヨタのマニュアルに記載されている
交換時期よりも早い段階で交換することをお勧めします。

一般的に乗用車で言われるのが、
ミッションオイルの交換は約2万キロ(車種・メーカーによっても異なります)。
デフオイルも同様程度。

ハリアー4WDの場合は、デフオイルとトランスファーギアオイルは
同じオイル・同時交換
をお勧めします。


ギアオイルの分類

ギヤオイルもエンジンオイルと同様にAPIサービス分類とSAE粘度分類により区別されています。

APIの規格はGLグレードで表示されGL3〜5が市販されています。
極圧性によってランク分類されており、数字が大きくなる程、極圧性が向上します。
FF車のマニュアルトランスアクスル、FR車のミッションは通常ヘリカルギヤが使われる為、
オイルに必要な極圧性は低い為、GL3グレード及びGL4グレードが使用されます。

FR車のデフにはハイポイドギヤが用いられる為、
使用条件が極めて過酷となり極圧添加剤を多く含んだGL5グレードのオイルが必要になります。
デフにGL3グレードのミッションオイルを入れると
極圧性が低いのでデフを短期間で損傷させてしまいます。

しかし、ミッションオイルは、シフトフィーリングを向上させる添加剤等を加えており、
APIのGLグレードの極圧性では性能を判断できにくくなってきています。

GL-3 中程度の速度、荷重条件で運転する手動変速機および、
まがり歯かさば歯車車軸用
ミッション用
GL-4 高速低トルクおよび低速高トルク条件で運転する乗用車
その他の自動車用歯車、特にハイポイドギヤ用
ミッション用
(デフ用)
GL-5 高速衝撃荷重、高速低トルク、および低速高トルク条件で
運転する乗用車その他自動車用歯車、特にハイポイドギヤ用
デフ用
GL-6 Fordの規格。
ESW-M2C105A(特にオフセットの大きなハイポイドギヤに使用)を満足させるもの。
注:この規格はFordの規格を満たすもので、GL-5より優れているというわけではない。
一般的に認められていないためか、最近はGL-6を店頭で見かけることがなくなりました。
デフ用

ギヤオイルもマルチグレードが一般的になっています。グレード分類は下記のとおりです。


低温粘度測定
高温粘度測定
SAE分類
150,000mP・sの粘度を示す
最高温度℃
100℃にて測定
mm 2 ・s
70W
-55
4.1<
75W
-40
4.1<
80W
-26
7<
85W
-12
11<
90
13.5〜24
140
24〜41
250
41<

選定オイル

・初回交換時 (8,804km 2003年12月20日)
トヨタ純正ハイポイドギヤオイルSX(SAE85W-90,API分類GL-5)と同等で
TOTALのSPORT Differential w/ LSD SAE85W90 API:GL-5
を選択しました。2缶購入です。

このオイルははっきり言って価格の割りには非常に優れたオイルです。
要は燃費以外にはまったく不満点がないです。
旋回動作など内外輪の差動動作でデフ系が酷使される場面では真価発揮。
前車でも結構使っていたことからです。

ただ冬季に燃費が落ちたことと
スキー場での始動性で5速ECT動作がいまいち。
ちょっと冬季粘度を下げてみようかという気持ちがあったことは事実。


・2回目交換時 (16,132km 2004年8月28日)
初回の反省から 85W-90から 75W90程度の交換する前提でいました。

あとは価格かと、4WDであり1.8Lつまり1L缶を2つ購入か、2L缶1つか迷ったわけですが
1Lあたり税込み2,000円は切りたいので
かつてデフオイル用として日産テラノで使用経験のある

WAKO'S RG7590LSD   (半化学合成油 SAE:75W-90API:GL-5)
にしてみました。

WAKO'S RG7590LSD 背面お品書き

交換の模様

廃油の問題(産業廃棄物扱いで登録が必要しかもドラム缶単位)があり、
簡単な作業なのですが、
工賃込で1,000円なのでDIYでなく作業はお願いしてます。(ホントは自分でやりたい)

廃油処理代だと思って。
ソケットHexagonレンチ10が必要になります。
ハリアー4WDの場合は非常にメンテ性はいいのではないでしょうか。
ちゃんとドレンボルトもありますし。

リアデフの廃油はホットドッグ食べている間に終わってました..
ですから、写真は終わった後のもの。

リアデフ、フィラプラグ穴とドレン廃油口 お馴染みTOKIKOオイルサーバーUでせこせこ新油注入

フロントアンダーカバーを外します。 トランスファー廃油中

別角度で 同じくTOKIKOオイルサーバーUでせこせこ新油注入

交換履歴

ATF(オートマティックトランスアクスルフルード)  も一緒に変えている場合もあります。

回数 交換年月日
(交換間隔)
走行距離
前交換
からの
距離
使用ギアオイル 個数 価格
(税込)
購入場所
1 2003年12月20日
(納車253日間)
8,804km

Total SPORT Differential w/ LSD
(SAE85W-90 API:GL-5) 1L
2 \1,880

SA
かわさき

デフオイル交換工賃 2 \2,100
(\1,050×2)
2 2004年08月28日
(252日間)
16,132km
(7,328km)
WACO'S RG7590LSD
(SAE:75W-90 API:GL-5) 2L
1 \3,990 SA
かわさき
デフオイル交換工賃 2 \2,100
(\1,050×2)
3 2005年06月25日
(301日間)
27,522km
(11,390km)
BP X7117
(SAE:75W-90 API:GL-5) 1L
2
\4,830
(\2,415×2)
MaxYH
大宮宮原店
デフオイル交換工賃 1 \2,100
(\1,050×2)
3 2007年04月07日
(651日間)
42,422km
(14,900km)
Catrol MTF-S
(SAE:75W-90 API:GL-5) 1L
2
\4,158
(\2,079×2)
AW
柏沼南店
デフオイル交換工賃 1 \1,575

インプレッション

デフオオイル、トランスファーオイルの交換はこれまたテキメンです。

・始動時の動きが違う(低粘度 85W90→75W90の効果か)
・燃費がUP(惰性走行での燃費が特に違う、アクセル離した瞬間に瞬間燃費表示は上限の30km/Lになる)
・走行時特に旋回走行(立体駐車場でのぐるぐる回るような)でのロードノイズの低減

です。
私の場合地下駐車場のためいきなり旋回、登り坂なので始動時のデフを酷使?しています。

始動性とステアリングをいっぱいに切った状態であり、
デフ・トランスファーにいきなり負荷がかかる環境ですので
窓を開けて聞こえる「コココココぉ〜」という音が結構気になっていました。
2駆→4駆切り替えもここではっきりわかる訳です。

当たり前ですが、アイドリングしたって駄目なところで動かない限り意味が無いのです。
始動時の粘性を下げたおかげ
今回はその音すらしません。

初回はデフオオイル、トランスファーオイルを純正とまったく同じ粘性レベル(85W-90)にしましたが
冬季の走行で燃費ががた落ち
で秋に差し掛かったころまずは、始動性能を高めるべく
ATF交換と同時に実施しました。
高温時の粘性は同等にしていますので、問題なしと思っています。

前車のテラノでの実績での選定をベースにしていますが。
この冬はこれで通すつもりですので、冬季時の燃費への影響は見守りたいと思います。


人来訪中